老後、夫婦二人で生活費25万円は安心ライン？ゆとりある暮らしのリアルな内訳と工夫

「老後の生活費っていくら必要なの？」「夫婦二人で月25万円なら安心できる？」――定年が近づくにつれ、多くの方がこのような疑問を抱き始めます。年金だけで生活が成り立つのか、不足分をどう補うのか、老後の生活設計は人生100年時代を生きる私たちにとって、とても重要なテーマです。

この記事では、「夫婦二人で月25万円」という生活費がどれくらい現実的で、どのような暮らしが可能になるのかを詳しく掘り下げていきます。25万円という金額は「贅沢ではないけれど、節約一辺倒でもない」――そんな“ちょうどよい安心ライン”かもしれません。

まずは、一般的な老後夫婦の生活費がどれほどか、データから確認してみましょう。

総務省の「家計調査（2023年）」によると、高齢無職夫婦世帯の平均支出はおよそ23万円～26万円。主な内訳は以下の通りです。

これを見ると、「月25万円」はまさに全国平均に近い、あるいは少し余裕のある水準であることが分かります。

ここでは、夫婦二人で月25万円の予算で、どんな生活ができるのかをシミュレーションしてみます。

このモデルでは、「自炊中心だけどたまには外食も」「趣味や旅行も楽しみたい」「子や孫との交流費も確保」と、生活に“ゆとり”があるのが特徴です。

気になるのは、「公的年金だけで25万円の支出をまかなえるのか？」という点です。

以下は年金の一般的な受給例です：

つまり、毎月3万～7万円程度が不足することになります。この差額をどこから補うかが、老後設計の重要なポイントになります。

老後資金として、退職金や現役時代の貯蓄がある場合、不足分を毎月補填できます。仮に毎月5万円を補填する場合、年間で60万円、20年で約1200万円が必要となります。

低リスクの投資（定期預金、国債、投資信託など）を活用し、少しでもお金を「働かせる」意識を持つことが、長い老後を乗り切るカギになります。

近年は、定年後も働き続ける人が増えています。週数回のパートや、在宅でできる仕事などで月3万円ほど収入があれば、精神的にも大きな安心材料になります。

25万円という生活費は、決して贅沢ではありませんが、以下のような“安心”が得られます。

心のゆとりは、金額以上の価値をもたらします。「節約に追われる毎日」ではなく、「自分たちのペースで、穏やかに暮らす」というライフスタイルが実現できるのです。

格安SIMへの乗り換え、不要なサブスク解約などで数千円は節約可能。

まとめ買いや冷凍保存で無駄を減らし、外食は計画的に。

「使っているつもりはないのにお金が足りない」を防ぐには、記録と見直しが不可欠です。

日曜大工やベランダ菜園は、節約と趣味を両立できます。

月25万円という生活費は、贅沢ではないけれど、我慢ばかりの生活でもありません。「夫婦ふたりが無理なく、笑顔で暮らすためのちょうどいい金額」だと言えるでしょう。

もちろん、収入や資産状況によっては、この金額でも厳しいと感じる方もいれば、「もっと切り詰められる」と感じる方もいます。大切なのは、自分たちの価値観とライフスタイルに合った「老後の家計のバランス」を見つけることです。

老後の生活は「何にお金を使うか」「何を大切にして生きるか」によって、大きく満足度が変わります。月25万円という予算の中でも、自分たちに合った暮らしを工夫しながら、豊かなセカンドライフを送っていきましょう。